奇天烈電機

猫とカメラとパノラマ写真、農業つれづれ、稀に初級Linux。大半は偏りの激しい日記と正しくない情報。

カメラの話。

若い時、と言っても18歳から25歳前後まで、カメラが好きでした。

 

最初は、留学するという事で、家にあったミノルタのα7000と35-70(だったかな?)を一本だけ、持って行って、そこにいる間使っていました。直ぐに帰ってくる事になるんだけど、カメラにはハマってしまったんですよね。

 

帰ってきてからも暫くはα7000でいろんなものを撮って、遊んでいました。

 

何だか写真屋さんに色々アドバイスをもらったりして、偶然α9000を手に入れたのでした。

 

この頃のAFは大した精度ではなかったし(無論僕がα9000を手にした時は既にもっと新しいシリーズが展開されていた)使いこなせてなかったと思います。

でも、その場その時にある人に勧められて、ある人の事務所に何枚か写真を置いてみないか?、みたいな話があったんだな。

 

若いということは馬鹿ですから、調子に乗って置かせてもらった。今思えばカメラの性能に任せて撮っただけの愚かな写真を。

そうこうしていると、そこから何故か話がほんの少しだけ広がって、ラーメン屋の大将が「店に飾りたい」なんて話が出てきたのです。

 

少なくとも2年くらいの間飾ってあったらしいですね。今もそのラーメン屋あるけれど。

流石にもう無いと思うけど、写真は。

 

その後は、何でだかマミヤ6触ったり、F3を貸してもらったり、で、結局は自分で最初に買ったカメラってNikon EMだったんです。

単焦点の50一発。ほぼこれで3年使いました。お散歩カメラなんだけど、色々と言われようがあったけど、使い良かった。

簡単だったし、フットワークが良かった。その後は…他の事に意識が行きはじめて、行方不明になりました。手放したのか、どうだった?、覚えてないや。

 

そろそろ脱フィルムカメラの時が来ていたから、無理してαSweet digitalタムロンの28-105?だったと思う、それを買った。

これがよくなかった。何が撮れるのか、何が撮れたのか直ぐ確認できるのだから無限にやり直しができる。当然フルオートだからやる事が全然無い。もう、フレーム決めるだけ。

あの時、デジ一はゴミだと思いはじめました。

 

その後、下落してたのもあったし、余計な経験をしてバカバカしくなった気持ちが合わさって、α7(ミノルタだよ)を買いました。

 

・・・なんか違う。

 

簡単だけど、いい写真撮れるけど「面白くない」「緊張感が無い」「飽きたのかな?」悶々としてる間に完全に興味がPCに移って、その後はスマホのカメラで記録だけを続ける日々。

 

もうカメラで楽しかった頃のことなんてすっかり忘れていました。

 

本日2024年12月1日から、鳥取県勤労者美術展という展覧会が始まっています。カミさんの描いた作品が審査を通過して、飾られる事になったので我々は早速二人で見に行った。

〜賞、みたいなのはもらえませんでしたけど、確かに選考を通過してそこにカミさんの絵が飾られているじゃないですか。

感動しますよね、公式な美術展に作品が展示されるなんて。

 

洋画、日本画、写真、書と別れていて、そんなに意識してなかったんだけど写真の壁の前で、足が止まった。概ねはデジ一で撮ってるな、っていうのは分かるし、普通に上手いなあとか何が面白いんだ?、みたいな色々な作品があったんですが、一点だけ。

 

どう見てもハーフカメラで撮られた物が展示してあった。いや、最近の加工技術は著しく進化しているからハーフ写真に見えるだけでハーフカメラでは無いかもな…などと思いもしましたが、やはりハーフ写真に見えるし、その作品がまた、良かった。

フィルムは何だろう?、トライXかな?やはり手焼きかな?、などと色々長い間死んでいた何か、それが動きはじめてしまった。

 

帰りすがら、車で2時間くらいの場所だったのでカミさんの感じた場の空気の話や次の作品はもっと大きく描きたい、という様な話をしながら家に着いた。

カミさんが、「来年は一緒に出さない?、あなた写真撮ったらいいのに」なんて。

 

もう道具がない。情熱の芽みたいなのが腹の底から見える様な見えない様な。

 

どーしましょうかねー。

 

今更「なんだって撮れるぜ!」みたいなカメラを買ったって「作品」にはならない。皆んながやってることだから。

じゃあ適当に程度の良いペンでも買って遊び半分エモってみるか?、という目線にもならない。

 

フルマニュアルは敷居が高いし、そんなに元々ガッツリカメラ野郎でもない。

あんまり重篤な気持ちで無く、フリマアプリを開いて、今EMっていくらくらいで買えるんだろうか?、と検索したりしてました。

 

そんなにしないな。

整備済みでもそんなにしないのか。

そんなにフィルムカメラって廃れてしまったのか。僕の中ではデジタルとフィルムって、トマトとりんごくらい違うものだと思ってたから、こんなに置き換わりが同時に素早く進んでいるとは。

 

そう思ってたら確かもう何年も前にナチュラ1600が廃盤になって、どうすんのよ?、みたいな気持ちになった事はありました。

正直、フィルムに関してはコダック以外はゴミだと思っていた人だし、思ってる。

最近のあえて儚く見せよう系のフィルムはオモチャだし。作例とかたんまぁ〜に見てたけど。

もはやプロじゃない人が使うロモだの聞いたことも無い様なたっかいフィルムはみんなフィルムの力で「そういう雰囲気」に写ってるだけで、なんならスマホのアプリで十分ではないかと思ってましたし、思ってます。

それも一つのジャンルだろうから否定もしない。映えたいんでしょ?

 

で、EMを買う事にした。Fマウントに限らず交換レンズもどこかで売り飛ばしてしまってるので、なんか本体と一緒になってる28はまあ、使うだろうけど中望遠が無いと不便かなあ、などと思いました。

EMだから、モーターの入った様なレンズは必要ない。むしろ今で言うオールドレンズがここ一番必要。

夢中になってた頃は断然玉によって選んだりもしてましたけど、もう今や自分の腕前で玉を選ぶなんて暴挙には出ませんし、可変距離のみで検索です。

手動のFマウント中望遠レンズは・・・トキナーの35-105が3500円程度、いや4000円か。

 

これ、いわゆるEMならではの、「レンズにカメラがくっついてる構図」になるけど、一度は慣れた機械だし、もう数字だけで選ぶくらいにしか腕に覚えもない。

 

合計2万円以下。これくらいじゃないと「自分の撮った写真」にならんだろう。

 

さて、そしたらいよいよフィルムだ。

キタムラしかないからキタムラに行けばいいんでしょうけど、取り敢えずAmazonで2本。コダックGold200と、なんだこれ、マリックス800T?、中身はコダックのシネフィルム???

 

ナチュラ1600が滅んだ今、感度1600のフィルムは存在しない。そもそもシャッタースピードが最大1000分の1がマックスのEMでは面白味のない写真しか撮れまい。

何だか極端に安くて不安だなあ、思いつつGoldとマリックス800Tを試験的にオーダー。

TってタングステンのTだろうよ、などとちょっと不安になるも、ポートラ800は高杉。

400使うなら800の広さで何とかする人なんで、先ずは400飛ばして800で勘を戻そうか、作戦。

 

ゴダック以上のフィルムを知らないのも素人の証なんだけど…

Goldの400って、むかしはあったような。ねえか。

 

ここでこんなん書いててもしゃあなしな話ですが、来年、カミさんと二人で出展出来たらホントにいいんですけどね。

分かんないです。EMメインでは行く事になるだろうけど。

好みの写真と見てほしい写真は分けて考えるべきですから。

 

その内ここにも上がるでしょう。

でも、こんなに廃盤!廃盤!になっててもGold200の現行生産は決心の素になったし、マリックスやらポートラ800もあるにはある、から、丁寧に再開してみましょうかね。

 

意味のない写真は撮らない、と。

早く現像したいから部屋の中とか適当な風景は撮らない、と。

ゆっくり確かにここぞと言う時に、シャッターは切るもんだ。

 

ぱこん、と。